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喜劇役者

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真夜中に深い悲しみに暮れている。
録画しておいた『となりのシムラ(1)』を観た。その中のコント『死ねない男』がじつに良かった。10分前後の作品なんだけど、まるで良質な映画を観たような(または良質な落語を聴いたような)ハイクオリティ。2億の借金を抱え自殺をしようとしている男(シムラ)の話。死のうとしているのに、腹が減ったり、靴の置き場を気にしたり、間が悪く掃除のおばさんに自殺を邪魔されズボンのお尻が破けたり、ふと見た鏡で中年太りを気にしたりと、シリアスなシチュエーションなのにプププって笑える要素満載。果てはズボンが破れたことで下着姿(BGMは映画ダイ・ハードだったこともあり、ブルース・ウィルスオマージュだと理解)になったままアクシデントにより廊下に取り残され、偶然遭遇した隣室のデリヘル嬢に『キモい、死ねよジジイ』とまで言われ、『言われなくたって死んでやるよ!』と逆ギレ。そんなタイミングで急に火災警報が鳴り響き、周りが逃げ惑う中、下着姿の男と客に金を踏み倒されてしまったデリヘル嬢が取り残されてしまう。意を決して逃げようと、見かねた男が『早く逃げよう!』とデリヘル嬢を助けるが、足を挫いたデリヘル嬢は『あー、もう私ダメ、死んじゃうかも』と諦めモード。そこで男が一喝『死ぬなんて簡単に言うんじゃねーよ!』『2万でガタガタ言うな、俺なんか2億だぞ!バカヤロウ!』と。下着姿でしかも直前まで死のうとしていた情けない男が、自分のみならず必死になって他人まで助け出そうとし、最後は生に対して執着までする姿(気持ちの変化)に、実際には現世にもういない志村さんと重なり、ボクは涙してしまった。話はこれで終わらない。翌日自殺を邪魔してしまった掃除のおばさんが休憩中に新聞を読んでいると、ホテル火災の記事が。そこには逃げ切って安堵の笑顔の男と手を取り合ったデリヘル嬢の写真が。生きててよかった!とのコメントと共に。ゴスペル曲『Oh,Happy Day』が鳴り響く中(もしかしたら志村さんの選曲かな?音楽好きだから)、笑顔の男のアップで幕を閉じる。

このコントに限らず番組通してボクがグッときてしまったのは、変なおじさんというキャッチーなキャラクターに頼るのではなく、どこにでもいるごく普通のおじさんの悲哀を志村さんが演じている点である。そこが凄く良かった。きっとこの延長線上に山田洋次監督との『キネマの神様』があったのかと思うと残念でならない。喜劇役者としての志村けんさんをボクはもっともっと観たかった。

 

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※素晴らしい作品だったので未見の方にもと思って調べたら、再放送の予定が無いようなので、あえて内容を書いてしまってます。また、観た後の感動のまま、推敲せずに書いてます。読みづらかったごめんなさい。

 

 

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